オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「行くか。」

蓮人は何事もなかったかのように、私の手を

引いて駅の中へ歩き出した。

ショッピングモールに着いて、二人で手を繋

いでお店を回る。

雑貨屋さんでは。

「これ良い匂いだよ!」

「こっちも。」

ルームフレグランスの香りを楽しんだり、お

互いの部屋に合いそうなインテリアを見た

り。

アクセサリーショップでは。

「これ、可愛い~!」

「ももに似合うんじゃない?」

「じゃあこっちは蓮人に似合いそう!」

お互いに似合いそうなものを買いっこする。

それぞれが好きなお店に入って、気づけば夕

方になっていた。

「もも、お腹空いてる?」

「うんっ!」

ショッピングモールを出ると、太陽は傾いて

いて、夜に向かっていた。

「じゃ、ご飯食べに行こうか。」

蓮人と向かった先は、おしゃれにライトアッ

プされたカフェ。

種類豊富なメニューを見て、食欲をそそられ

る。

注文をして料理を待つ間、私たちは他愛ない

話をしていた。

テーブルに料理が運ばれると、目の前がいい

匂いの湯気に包まれた。

目の前に置かれた具沢山のグラタンをふぅっ

と冷まし、口に運ぶ。

野菜や海鮮がチーズと絡みあって、口の中で

とろけていく。

「おいしい…!」

「よかったな。」

私たちは美味しい料理をペロリと食べ終え

て、ディナーサービスのコーヒータイムを楽

しんでいた。

「今日はありがとう。」
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