オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
ほんの少しも気持ちのこもっていない謝罪の
言葉を聞いて、少しだけ意地悪をしてみたく
なった。
「実際に彼を見ても、かっこ悪いって言えま
すか?」
私の言葉に、男は眉間にしわを寄せた。
「彼を悪く言ったことも、ちゃんと謝ってく
ださい。」
意地悪したくなって言ったけど、この言葉は
私の本心だ。蓮人は外見もかっこいいけど、
それ以上に心が綺麗で、人としてかっこいい
と思うの。すべての人に理解してもらえるな
んて思わないけど。まだ子供の私が掲げる、
精一杯の正義なんだ。
「悪かったよ。」
男はどこか寂しそうな目で蓮人を見て、複雑
そうに謝ると、少しだけ微笑んで。
「こんな想ってもらえて、幸せだな。」
その言葉が私たちに届くことなく、男は立ち
去って行った。
「お前はもっと危機感持てよ。」
「はい…。」
私たちは最寄りの駅で降りて、いつもの道を
歩いていた。
蓮人の言っていることは正しい。というか、
正しすぎる。蓮人と出逢ってから、3回も助
けられているという事実に、自分でも苦笑い
してしまう。
「占いとか行ってみようかな…。」
襲われ上手とか、襲われ体質とか。変な男寄
せ付けタイプとか…。そういうの言われたり
するのかな。
「オレのいないところで襲われんなよ。」
繋いでいた手が一度離れて、私の髪をそっと
撫でてくれる。
あぁ…。やっぱり蓮人は。
言葉を聞いて、少しだけ意地悪をしてみたく
なった。
「実際に彼を見ても、かっこ悪いって言えま
すか?」
私の言葉に、男は眉間にしわを寄せた。
「彼を悪く言ったことも、ちゃんと謝ってく
ださい。」
意地悪したくなって言ったけど、この言葉は
私の本心だ。蓮人は外見もかっこいいけど、
それ以上に心が綺麗で、人としてかっこいい
と思うの。すべての人に理解してもらえるな
んて思わないけど。まだ子供の私が掲げる、
精一杯の正義なんだ。
「悪かったよ。」
男はどこか寂しそうな目で蓮人を見て、複雑
そうに謝ると、少しだけ微笑んで。
「こんな想ってもらえて、幸せだな。」
その言葉が私たちに届くことなく、男は立ち
去って行った。
「お前はもっと危機感持てよ。」
「はい…。」
私たちは最寄りの駅で降りて、いつもの道を
歩いていた。
蓮人の言っていることは正しい。というか、
正しすぎる。蓮人と出逢ってから、3回も助
けられているという事実に、自分でも苦笑い
してしまう。
「占いとか行ってみようかな…。」
襲われ上手とか、襲われ体質とか。変な男寄
せ付けタイプとか…。そういうの言われたり
するのかな。
「オレのいないところで襲われんなよ。」
繋いでいた手が一度離れて、私の髪をそっと
撫でてくれる。
あぁ…。やっぱり蓮人は。