オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「蓮人は私のたった一人のヒーローだね。」

「ばーか。」

夜の闇の中、街灯に照らされた蓮人の頬は赤

く染まっていた。

「顔赤いよ?」

いつもの意地悪の仕返しのつもりだったんだ

けど。

「もうすぐももの顔も真っ赤になると思うけ

ど。」

「えっ?」

言葉の意味が理解できないまま、私の部屋に

たどり着いた。

「少し、入っていい?」

「うんっ!」

このまま今日が終わるのは嫌だから。

もう少し一緒にいたい。確かにそう思っては

いたんだけど。

「れ、蓮人…。これは…?」

「何?」

いや、何って…。この体勢は何なの!?

蓮人は部屋に入ってソファに座ると、私を膝

の上に座らせて、離れられないように背中か

ら抱きしめている。

「離れてほしいわけ?」

「そういうことじゃなくて…。」

私が蓮人と離れたいわけないでしょ…!

「もも。目閉じてて。」

「えっ?」

「いいから。」

蓮人の言葉通りに目を閉じると、背中から回

った長い腕が私の手首に触れる。

「開けていいよ。」

ゆっくりと目を開けると、蓮人が触れた右腕

に、ゴールドのブレスレットがつけられてい

た。

「これって…」

今日のデートで私が可愛いって言ってたブレ

スレットだ…。そんなところまで見てたの?

「ありがとう、蓮人。」

体の向きを少し変えてお礼を言うと、お返し

に甘いキスを落とされる。
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