オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~

明かされた真実 ~蓮人side~

ももとの仲直りデートから3日。

あの日、オレのももへの想いが確実に成長し

ていることに気付いた。

「蓮人。ももちゃんと何かあった?」

いつものように龍也が淹れたコーヒーを飲ん

でいると、楽しそうな目でオレを見ている。

「なんで?」

「幸せそうだからかな。ももちゃんも可愛く

なったし。」

確かにもも、なんか可愛くなったよな…。

いや、ずっと可愛いんだけど、なんて言うん

だろう。可愛いだけじゃなくなったという

か…。少し大人っぽくなったのか?なんかそ

れとも違うような…。

「蓮人?」

「ん?」

「ん?じゃねぇよ。だから、ももちゃんと何

があったの?」

やばい。オレ、相当重症だな。気づいたらも

ものこと考えてて、龍也に答えてなかった。

「別に特別何かあったわけではないんだけど

な。」

変わったのはオレの気持ちの強さだと思う。

「愛に変わったってことね。」

コーヒーを淹れながら、にやにやとオレを見

てくる。

愛か。確かにそうかも。最近は「好き」とい

う言葉だけでは、言い足りない気持ちにな

る。

「愛」という言葉でオレは、先生からの手紙

を思い出す。

「私からの最後のお願いです。

いつかご両親のことを思い出す時が来たら、

記憶の中のご両親と同じように、大切な人を

愛してあげてください。」

ももと出逢った日。オレは両親がどんな人だ

ったのか初めて気になった。
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