オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
玲悟くんは、男たちに絡まれたことよりも、

黒宮さんの部屋で一晩過ごしたことの方が危

険だと言った。

確かにそうなんだけど。

仕方ないじゃない。気失ってたんだから。

「それで、ももちゃんはその人と何かあった

の?」

「なにか…?」

その時、私は急に思い出した。

肝心なこと聞いてなかった。

黒宮さん、優しい人だし、そんなことするは

ずない。

でも、男の人ってそういうのは関係ないって

よく聞くし…。相手がその……未経験だった

ら何とかって…。

「ももちゃん…、もしかして、しちゃった

の?」

「わかんない…。朝起きたら、黒宮さんのT

シャツだったから、多分見られてはいる…と

思う…。」

これは、確認したほうがいいよね。

初めての相手が初対面の男だなんて、思いた

くない。それに、黒宮さんはそんな人じゃな

いって信じたい…。

だって黒宮さんが私を見る目は、確かに優し

かったんだから。

それから、聖菜と玲悟くんは私を元気づけよ

うと帰りにカフェに誘ってくれた。

放課後、お客さんとしてカフェに向かった。

「こんにちは!」

「ももちゃん?」

青田さんは、休みのはずの私が来て驚いてい

るみたい。

「今日は、みんなと…」

青田さんの目の前のカウンターで座っている

男性がこっちを見た。
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