オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
こんな安い文句しかあげられないけど、この
子が背負うものが少しでも軽くなればいい。
「じゃあ、行くよ。」
「はい。」
オレ達は、初めて一緒に施設に入り、先生の
元を訪ねた。
「先生。」
「あら、蓮人君!こんにち…!」
オレの後ろから自分の娘の姿が見えたことに
驚いているようだ。
「先生、教えてください。」
「お母さん。私も知りたい…。」
オレは先生の前で足を止めて、目を逸らさな
いように、覚悟が消えてしまわないように、
真っ直ぐに先生を見た。
「二人とも。掛けなさい。今お茶を淹れる
わ。」
いつも先生と話すソファに腰を掛ける。
「いつか話す日が来る。わかってはいたけれ
ど、二人の成長を見ていると嬉しくて。」
オレ達を見つめる先生は母親そのものだ。
「先生は…。先生はオレの実の母親…なんで
すか…?」
先生は黙ったままオレをまっすぐ見つめる。
「お母さんの部屋で…これ、見つけたの…。
蓮人さんは…私のお兄さん…なの…?」
答えなんてわかってる。きっと早織ちゃん
も。
「そうよ。蓮人くんは私が産んだ子。間違い
なくあなたたちは血を分けた兄妹よ。」
突き付けられた現実に、体が震えてしまう。
そして先生は過去を懐かしむように、昔話を
始めた。
「20歳の頃、初めて恋人ができたの。どこま
でも優しい人だったわ。2年後、彼との赤ち
ゃんを授かったの。」
子が背負うものが少しでも軽くなればいい。
「じゃあ、行くよ。」
「はい。」
オレ達は、初めて一緒に施設に入り、先生の
元を訪ねた。
「先生。」
「あら、蓮人君!こんにち…!」
オレの後ろから自分の娘の姿が見えたことに
驚いているようだ。
「先生、教えてください。」
「お母さん。私も知りたい…。」
オレは先生の前で足を止めて、目を逸らさな
いように、覚悟が消えてしまわないように、
真っ直ぐに先生を見た。
「二人とも。掛けなさい。今お茶を淹れる
わ。」
いつも先生と話すソファに腰を掛ける。
「いつか話す日が来る。わかってはいたけれ
ど、二人の成長を見ていると嬉しくて。」
オレ達を見つめる先生は母親そのものだ。
「先生は…。先生はオレの実の母親…なんで
すか…?」
先生は黙ったままオレをまっすぐ見つめる。
「お母さんの部屋で…これ、見つけたの…。
蓮人さんは…私のお兄さん…なの…?」
答えなんてわかってる。きっと早織ちゃん
も。
「そうよ。蓮人くんは私が産んだ子。間違い
なくあなたたちは血を分けた兄妹よ。」
突き付けられた現実に、体が震えてしまう。
そして先生は過去を懐かしむように、昔話を
始めた。
「20歳の頃、初めて恋人ができたの。どこま
でも優しい人だったわ。2年後、彼との赤ち
ゃんを授かったの。」