オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~

真実の愛

季節が変わり始めて、ひんやりした風が頬を

撫でる。何も知らなかったこの場所で、大切

な友達と、大好きな恋人と、充実した毎日を

過ごしている。

「ももちゃん、最近前より可愛くなったよ

ねっ!」

「もしかして蓮人さんと…?」

デートから一週間が経った頃、聖菜と玲悟く

んから今日も冷やかされている。

「何もないよ!」

聖菜と玲悟くんは相変わらずラブラブで、最

近では聖菜が玲悟くんのお弁当を作る日もあ

るくらいだ。

「まさかお前…まだ…?」

「えっ?」

玲悟くんの問いかけに、顔に熱が集まってく

るのがわかった。

「蓮人さんも大変だなぁ…。」

「ももちゃん、可愛くなったからもしかして

と思ったんだけど…。」

あからさまに落ちこんでいる二人を見て、な

ぜか申し訳ない気持ちになる…。って待っ

た!

「聖菜!?もしかして二人は…!」

聖菜がそんなこと知っているのもびっくりな

のに…。

「でも何か進展はあったんでしょっ?」

楽しそうに聖菜に質問されて、あのデートの

夜のことを思い出して、冷めかけていた熱が

再び上昇する。

「あ、あったな。」

「あったね!」

二人はニヤニヤしながら私を問い詰め、隅々

まであの夜のことを吐かせて、昼休みは終わ

った。

学校が終わってバイトに向かう途中、ポケッ

トのスマホが震えた。お母さんから電話…?

「もしもし?」
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