オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「早織ちゃん。」

誰だろう?知り合い?

「先生の娘。一応オレの妹になるんだけ

ど。」

昨日聞いたばかりでまだ整理できてないんだ

けど、蓮人の本当のお母さんは施設の先生で

目の前の女の子は、その先生と今の旦那さん

との子ってことだよね?

「初めまして。白河ももです。」

「高峰早織です。こんにちは。」

蓮人とは全然似てないから、妹って言われて

もしっくりこないなぁ。

「彼女さん…ですか?」

「うん。今度先生にもちゃんと紹介するつも

りだよ。」

えっ。先生に紹介!?ま、まぁ親代わりだっ

たわけだし、それはそうなんだろうけど、な

んか急に緊張してきた…!

「もも。そんなに緊張しなくていいから。オ

レ、大事な人ができたことは話してるし。」

そうなんだ…。って緊張してるってなんでわ

かるの?

「だから、顔に出てるって。緊張してますよ

ーって。」

蓮人はクスクス笑いながら、私の頬をふにふ

にと触ってくる。

「幸せそうでよかったです。ぜひ母にも見せ

つけてあげてください。」

早織さんは柔らかな笑顔を向けて、施設に入

っていった。

「見せつけてって…。」

蓮人が小さく呟いた言葉を聞いて、はっとし

たけど。

「大人の対応だったね…。」

蓮人といるとあんなこと珍しくないから、忘

れていたけど、ただのイチャイチャだった気

がする。

「蓮人って意外と甘いよね…?」
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