オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
蓮人を家族に紹介すると決めてすぐにお母さ

んに相談して、その後お父さんとお兄ちゃん

にも紹介したい人がいるとだけ話した。

そして、ついに今日が運命の日。

彼氏なんて蓮人が初めてだし、「無断交際禁

止」と言われていた手前、簡単に認めてもら

えるとも思えない…。緊張しないはずがな

い…。

「もも、こっち向いて。」

「ん…。」

そわそわして落ち着かない私の名前を呼んで

触れるだけのキスを落とす蓮人。

「オレを信じろ。何があっても離れるつもり

ないから。」

信じてないわけない。私も一緒だよ。蓮人か

ら離れる気なんてない。もう離れられないん

だから。

私は返事の代わりに蓮人の体に抱きついた。

蓮人が一緒ならきっと大丈夫。それに…。

家族が私を大事に想ってくれていること、今

ならはっきりわかるから。

新幹線と電車に揺られて数時間、日が沈む前

に実家に着いた。

「ただいま~!」

緊張を押し殺すかのように、わざとらしく元

気いっぱいの挨拶をした。

「おかえりなさい!」

迎え入れてくれたのは予想通りお母さんだ

け。

「お邪魔します。」

私の後ろに立つ蓮人を見たお母さんは、少し

嬉しそうにニヤニヤと私を見る。

「初めまして。ももさんとお付き合いさせて

頂いてます、黒宮蓮人です。」

「ももの母です~!どうぞ入って!」

お母さんは交際に反対してないって言ってい

たけど、実は大賛成だったりしない…?
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