オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
だけど今は違う。こいつらがいればいい。

ももがいれば、それでいい。

「もも、手出して。」

差し出された左手に指輪をはめて、そのまま

手を引いて抱きしめる。

オレの大事な人の前で誓わせて。

「もも、愛してる。」

愛の証が輝くももの左手に指を絡ませて、誓

いのキスをする。唇が離れると、ももは笑っ

て返してくれる。

「蓮人、愛してるよ。」

オレ達は再び抱きしめ合った。

「ほんとにラブラブなんだから~!」

「見てる方が恥ずかしいっつうの。」

聖菜と玲悟のくせに冷やかしやがって…。そ

れに…。

「聖菜ちゃんと玲悟には言われたくないだろ

うなぁ…。」

龍也は失笑しながら本音を零した。まぁまん

ま同じことを思ったわけだけど。でも。

「玲悟たちはそのままでいいんじゃねぇ

の?」

ももと龍也は「そうだね」と笑っていた。

帰り道。

「蓮人の周りの人を大事にするところが好

き。」

「ん?」

昼間、遊園地で言ってくれてたことか。どう

したんだ、急に。

「だけど、蓮人は周りからもすごく大事にさ

れてる。そんな蓮人も大好きだよ。」

そんな風にオレの心を簡単に狂わせる。

オレは一生、ももには敵わないんだろうな。

それもいいか。ももがオレの隣でずっと笑っ

ていてくれるなら。

「これから先、めちゃくちゃに大事にするか

ら。覚悟しろよ。」

何も持たないオレが、真実の愛に出逢う物語

はこの先もずっと続いていく。オレの愛する

たった一人のお嫁さんと共に。
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