オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「もっと遠い場所にも、ももと行ってみた

い。」

「蓮人と一緒なら、それもいいね。」

私たちが描く幸せな未来は、きっと同じもの

なんだろう。

手を繋いで夜の海を眺めていると、夜空に大

きな花火が咲き誇り、私たちを照らす。

風に揺れる水面には、無数の星と、ポツンと

輝く三日月、咲き誇る夜空の花が映る。

私たちは会話を交わすことなく、この景色を

目に焼き付けていた。

「じゃあ、先どうぞ…?」

「何言ってるんだよ。」

部屋に戻ってきた私たちは、ある論争を始め

ていた。

露天風呂、別々で入りたいももVS一緒に入

りたい蓮人。

だって部屋にある露天風呂とは言っても、外

だよ?ただでさえ二人でお風呂入るのは恥ず

かしいのに…。

「オレはももと一瞬も離れたくないんだけ

ど。」

たまに出る蓮人激甘モード。この蓮人にはと

ことん弱いのよね…。

「あんまり見ないでね…?」

結局許しちゃうんだよね。これが惚れた弱み

ってものなのかな…。

素肌にタオルを巻いて、蓮人の待つ露天風呂

に浸かる。

「あったかい…。」

「こうしたらもっとあったかいだろ?」

蓮人の膝の上に向かい合わせで座らされて、

至近距離で見つめ合う。

な、なにこれー!恥ずかしすぎて、のぼせち

ゃいそう。

「もも、顔赤いけど、熱い?離れる?」

心配してる人が使う言葉なのに、目が楽しそ

うに笑ってる。
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