オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
離すつもりなんてないくせに。それに、私の

答えだって絶対わかっている。

「全部わかってるくせに。」

拗ねたように口を尖らせて言うと、蓮人はや

っぱり髪を撫でてくれる。意地悪を言いなが

らも優しく撫でてくれるこの手が好き。

「離れたいわけないでしょ…?蓮人のお嫁さ

んだもん。」

私の言葉に、今度は蓮人が頬を染める。

「それは反則だから。」

蓮人が私のうなじに大きな手を添えて、深く

口づけてくる。温泉よりもずっと熱いキスが

全身を焼きつけていく。

「蓮人…。」

「いつも言ってるだろ、あんまり煽るなっ

て。」

何度も言ってるのに。煽ってないって。そん

なこと言ったら、甘い意地悪が何倍にもなっ

て返ってくるんだよね。

だいたい私にだって言い分があるんだよ?

「蓮人がかっこよすぎるのがいけないと思

う…!」

蓮人と付き合い始めてからずっと思っていた

こと。蓮人は私を可愛いっていっぱい言って

くれるけど、蓮人はかっよすぎるんだよ。

「そういうところ。今日は寝かせてあげられ

ないかも。」

蓮人は濡れた私の鎖骨に唇を這わせて、愛の

花を咲かせる。

「ま、また付けたの?」

「嫌なの?」

こういう時の拗ねてる蓮人も可愛くて。愛し

くて。

「嫌じゃないけど…。」

痕をつけてくれることが嬉しいなんて、恥ず

かしくて言えない。

「オレのものって印、残したくなる。」
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