オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
私だって助けられてばかりじゃ嫌だ。

私だって二人に優しくしたい。

「私だって…。」

「は?」

「どうしたの?ももちゃん。」

「私も二人の役に立ちたいんです!」

私の心の叫びは、声になって壁にぶつかり、

やがて消えた。

二人は目を大きく見開いて、驚いていた。

あ、やっちゃった…。後悔したときには遅く

て。

「い、いや。あの……。」

我に返った私は、あからさまに動揺してしま

った。

「ふふっ。」

青田さんが笑う。と同時に、黒宮さんも笑顔

を見せた。

「もも、お前ほんとおもしれぇ。」

「ももちゃんらしいなぁ。」

二人が笑顔になってくれたのは嬉しいけど。

「なんで笑ってるんですか。」

ちょっと不服…。

本当に二人の役に立ちたいって思って言った

のに…。これじゃ馬鹿にされてるみたいじゃ

ない。

「お前はそのままでいいんだよ。」

「オレたちはももちゃんの笑顔にいつも元気

もらってるんだから。」

その言葉は、私の胸に真っ直ぐに刺さった。

自分の意志で一人で上京して、不安だらけだ

った私のそばに、いつも二人がいてくれた。

助けてもらってばかりだと思っていたの

に…。

「そのままでいい。」

もっと強くならなきゃって思っていた私には

きっと一番欲しかった言葉。
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