オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
目の前の女の子はそこまで言って、オレの方

に倒れこんできた。

「あっぶね!」

彼女を支えようと咄嗟に動いた腕は、華奢な

体を抱きとめていた。

彼女の顔が10センチ先にあって、閉じられた

瞳から雫が零れていた。

「よく頑張ったな。」

彼女をおぶって帰り、ベッドに寝かせた。

「おい。オレの服貸すから着替えろ。」

さすがに制服で寝かすのはだめだと思い、何

とか起こして着替えさせた。

「おやすみ。」

オレのベッドで女子高生で眠っている。

彼女が眠った後、冷静になったオレ。

「これ、大丈夫か…?」

いや、だって普通そう思うだろ。

悪いことは何一つしていない。なんなら彼女

を助けた上に、気を失った彼女を看病してる

んだぞ。いいことしかしていない。

でも、相手は女子高生だ。傍から見れば誘拐

とか、犯罪的な…。

ぐるぐる考えているといつの間にか眠ってい

た。

いつもは寝ないソファで寝たからか、カーテ

ンの隙間から差す日の光で目を覚ました。

朝6時。

「まだ6時か…。」

いつもは起きない時間だったが、昨日のこと

を思い出し、寝室に向かった。

「まだ寝てるな。」

オレのベッドで気持ちよさそうにすやすや眠

る彼女を見てオレは安心した。

あんなに怖い思いしたんだ。
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