オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
蓮人さん…。

暗くてよく見えないけど、蓮人さんの瞳が少

しキラリと輝いた気がした。

「蓮人さん…?」

「あいつにキス、されてただろ。」

見てたんだ…。

龍也さんに告白されたこと、言った方がいい

のかな。

蓮人さんの言葉に何も返せないまま、沈黙が

続く。

「次の土曜日、空けとけ。」

蓮人さんは、それだけ言って帰ってしまっ

た。

蓮人さんの背中を見送ってから、部屋に帰

る。

今日は色々ありすぎて、まだ頭が追いつかな

い。龍也さんに告白されて、蓮人さんも様子

がおかしくて。私一人じゃどうしていいかわ

かんないよ…。

「ももちゃん、そんなことあったの?」

次の日、いつも通り聖菜と玲悟くんに話すと

聖菜は楽しそうに話を聞いてくる。

「これは面白い展開だな。」

いつもは真剣に考えてくれる玲悟くんも、な

ぜかニヤニヤしている。

「二人とも!真剣に考えてよ~。私、蓮人さ

ん怒らせることしたのかな…?」

昨日、蓮人さんに謝罪のメールを送ったっき

り返事がない。

蓮人さん、私のこと嫌いになったのかな。

土曜日、何するのかな。

不安でいっぱいになる。

「前にも言ったけど、ももちゃんが自分で気

づかなきゃ意味ないんだもん。」

聖菜は頬を膨らませて可愛い顔をしながら、

しっかりしたことを言う。

「オレでもどういう状況かわかったぞ?」
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