オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
玲悟くんも鼻で笑うようにそう呟く。

蓮人さんが何に怒ったか、気づかなきゃいけ

ないってことか。

「ももちゃんにヒントあげる!」

悩む私に聖菜がとびっきりの笑顔を見せる。

「ももちゃんの頭の中には今誰がいるの?」

私の頭の中…?誰って言われても…。

「次の土曜日、蓮人さんに会うんだろ?」

玲悟くんの質問にただ黙って頷く。

空けとけって言われただけ。蓮人さんに何を

言われるのか、何にもわからない。

玲悟くんは「心配するな」と笑顔で言ってく

れた。

そして金曜日。

「明日、9時に迎えに行く。」

蓮人さんからたった一文。それだけが送られ

てきた。

バイトの間、蓮人さんのことばかりが頭の中

を駆け巡る。

「ももちゃん、何かあった?」

龍也さんが心配そうに顔を覗く。

あの告白以来、龍也さんは普通に話してくれ

る。私も今まで通り接しているけど、蓮人さ

んのことは話せない。

「蓮人と何かあったの?」

龍也さんはコーヒーを入れながら、核心を突

く。なんで、わかったんだろう。

「蓮人、最近ここに来ないんだよ。ももちゃ

んと何かあったんだろうなって。」

龍也さんは私だけじゃなくて、蓮人さんのこ

ともちゃんと見ているんだ。

どこまでも心が広い龍也さんには、ちゃんと

話すべきだよね…。

私は、明日蓮人さんと会うことを話した。
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