オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「許してやる代わりにオレとデートな。」

デ、デート!?

龍也さんとデートしたばっかりなのに。

というか、龍也さんに告白されたのに、他の

男の人とデートっていいのかな?

最近色々ありすぎて忘れていたけど、私、男

性との無断交際禁止って言われているのに。

この展開、まずいんじゃ…。

「龍也とはデートしたくせに。」

蓮人さんが拗ねるなんて。

可愛すぎる…。

「デートってどこ行くんですか?」

「ももの好きな場所。」

そう言って、私の腕を掴んで走り出した。

どこに向かっているのかを聞いても、教えて

くれない。

「蓮人さん…。ここですか?」

「そう。ももの部屋にあった家族写真、遊園

地で撮ったものが多かったから。」

たどり着いたのは、日本一有名な遊園地。

蓮人さん、そんなところまで見てくれてたん

だ。

「蓮人さん、ありがとう。」

蓮人さんは赤くなった顔を隠すように下を向

いて、私の手を引いた。

そんな蓮人さんがかわいいと思ったのは胸に

しまい、蓮人さんの背中についていく。

軽快な音楽に迎えられて遊園地の中に入場す

ると、そこはまさしく夢の国。

私の歩幅に合わせて歩いてくれる蓮人さん。

なぜか自分がお姫様になれたような、そんな

錯覚に陥った。

「もも、行くぞ!」

その言葉を合図に、蓮人さんと園内を駆け回

った。
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