オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「もも。最後に付き合ってほしいところがあ

る。」

蓮人さんは私の手をそっと握り、ゆっくり歩

き始める。進む足の先には大きな観覧車。

「ここの観覧車の伝説知ってる?」

前に並ぶカップルの会話が聞こえてきた。

伝説って何だろう…。

「この観覧車に一緒に乗った二人は、永遠に

結ばれるんだって。」

その会話は間違いなく蓮人さんにも聞こえて

いるはず。

き、気まずい…。

蓮人さんは私の手を離すことなく、観覧車に

乗り込んだ。

龍也さんと乗った時とは違って、なぜか隣に

座っている。

狭い密室で沈黙が続く。

何話せばいいんだろう…。

「今日は楽しかったで…」

「龍也と付き合うの?」

私の言葉を遮って、蓮人さんは震える声で呟

く。

まさかそんなこと聞かれるなんて思いもしな

かった。

あの日。

龍也さんとデートした日。

蓮人さんは龍也さんの告白を聞いたのだろ

う。私のおでこにキスを落としたところも。

もし私が龍也さんと付き合ったら、蓮人さん

とこんな風に遊べなくなっちゃうのかな。

私は龍也さんをどう思っているんだろう。

私は蓮人さんとどうなりたいんだろう。

「龍也と付き合ったら、ももは絶対幸せにな

れる。」

何…それ…。

龍也さんが優しくて、温かい人だってことは

私だってわかってる。龍也さんの彼女になっ

たら絶対幸せになれる。
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