オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
やっぱり蓮人さんの気持ちがわからない。

それなのに、「この時間がずっと続けばいい

のに」なんて思ってしまう自分がいる。

「ごめん。」

蓮人さんは私を離すと、すぐに帰ってしまっ

た。

「思ったより拗れてるな。」

翌日、いつもの如く聖菜と玲悟くんに話す

と、玲悟くんは頭を抱えて呟いた。

「ももちゃん、どこまで鈍感なの~?」

いつも笑っていた聖菜が、困り顔で私の顔を

覗く。

聖菜にだけは言われたくないのだが…。

「お前、聖菜以上かもな…。」

玲悟くんがそれを言うって。

私、そんなに大事なことに気付いてない

の?

「聖菜が教えてあげる!」

決心したように立ち上がる聖菜と、その隣に

並ぶ玲悟くん。

「お、お願いします…?」

何が始まるんだろう。

「1!蓮人さんと龍也さん、どっちのデート

が頭に浮かびますか?」

聖菜の質問に「蓮人さん」と答える。

まぁ、昨日の今日だからね。

「2!蓮人さんと龍也さん、どっちの方が一

緒にいる時間が長いですか?」

次は玲悟くんからの質問。

それも蓮人さんだよ。バイトの後も迎えに来

てくれるし、休みの日もよく遊ぶんだもん。

「3!今会いたいのは誰ですか?」

聖菜と玲悟くんが声をそろえて質問してき

た。

「それも蓮人さんだよ。だって…。」

なんで?

「だって」の後が何も思い浮かばない。
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