オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「ももちゃんに告白したのか?」

「は?しねぇよ。」

龍也さんと蓮人さんの声…?

蓮人さんが私に告白?

どういうことだろう。

「オレ、ももちゃんのこと本気で奪っていい

の?」

「好きにすれば。」

蓮人さんの素気ない答え。

胸がざわざわする。

「お前、ももちゃんのこと好きじゃないの

か?」

そんなこと聞きたくない。

蓮人さんの気持ちが知りたいと同時に、自分

が傷つくのが怖くてギュっと目を瞑る。

「好きじゃねぇよ。」

好き…じゃない…。

そうだよね。

私なんかが、あんなにキラキラした王子様み

たいな人に好かれるなんて変だもん。

蓮人さんは優しいから、仕方なく相手してく

れてたんだよね。

無理やり、自分の心にそう言い聞かせた。

でも、悲しくて。虚しくて。悔しくて。

どうして、あんなに優しく抱きしめたの?

どうして、あんなにきれいな目で私を見つめ

たの?

初めての「好き」は、もう蓮人さんには届か

ないんだね。
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