オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
でも、私はもう、自分に嘘はつかない。

「ももちゃん。明日、一緒に回ってくれ

る?」

「もちろんです!」

これがきっと、龍也さんと最後のデートにな

る。

私は、胸の奥で覚悟を決めた。

文化祭当日。

「ももちゃん!おはよ!」

相変わらず、朝から抱きついてくる聖菜に迎

えられて、とうとう文化祭は始まった。

龍也さんから教室で待ってるように言われた

私は、クラスのカフェを手伝いながら待って

いた。

「あの人、かっこよくない?」

「誰探しているんだろう?」

クラスに来てくれたお客様が注目する方に視

線を向けると。

「あ、いたー!」

私を見つけると、笑みを浮かべる龍也さん。

「こんにちは!すごい注目ですね…。」

そりゃそうだ。龍也さんはかっこいいだけじ

ゃなくて、背も高いからすごく目立つ。

「そんなことないよ?」

いつもと変わらない龍也さんを席に案内する

と、すぐに注文してくれた。

「フルーツタルトとココアです!」

なんだか、龍也さんと一緒に作ったものを本

人に食べてもらうって、すごく緊張する。

「美味しい!」

龍也さんは満足そうに笑ってくれた。

「龍也さんのおかげです!」

私は、元気が出ると言ってくれた笑顔で、龍

也さんにお礼を言う。

それから私は、龍也さんのテーブルで文化祭

の準備のことや、友達のことを話していた。

「もも。休憩入っていいよ。」
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