オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
倉庫の大きな扉を勢いよく開くと…。

「玲くんっ…!!」

手足を拘束されて男二人に迫られ、震える聖

菜がいた。

「聖菜っ!」

オレは二人のデカい男の間を通り抜けて、聖

菜の前に立った。

「なにお前。」

「そのかわい子ちゃんのカーレー??」

ヤクザみたいな奴とホストみたいな奴。

変な組み合わせだな…。ってそんなこと考え

てる場合じゃねぇ。せめて聖菜だけでも安全

なところに…。

「こいつ、オレのもんだから。触るな。」

できるだけ冷静に煽ったつもりだけど。

「弱っちそうな男~。」

チャラい奴が気だるげにオレの方に歩み寄っ

てくると、腕を振りかぶった。

殴られる…!

そう思ったが、痛みはいつまで経っても降っ

てこなくて。

「なんだてめぇ!」

「龍也さん…!」

見上げると、チャラい奴の腕を掴み、鋭く睨

みつける龍也さんがいた。

「オレの可愛い後輩たちに何か用?」

いつもの柔らかい声で男たちを制しているけ

ど、目は少しも笑っていない。

殴りかかる二人の男を華麗にかわして、手首

を捻り、動きを封じた。

龍也さんって、こんなに強かったのか…。

「聖菜!玲悟くん!」

扉の方からももの声が聞こえて、その時初め

て二人で助けに来てくれたんだとわかった。

ももはすぐに聖菜の手を取り、出口へ走っ

た。その後をオレも追うが。

「君たちどこいくの?」
< 81 / 185 >

この作品をシェア

pagetop