上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
この日のランチは、外へ買いに出ることにした。

「あっ、羽場さん買い出しに出る?」

「はい。そのつもりです」

「じゃあ、一緒に行くわ」

川北さんが声をかけてきた。
断る理由もないので、一緒に出ることにした。

「おっ、じゃあ俺のも買ってきてよ。お任せするから」

三上さんにこんなお願いされるのは、珍しいことだ。

「いいですよ」

私が答えると、「じゃあ」なんて言いながら、三上さんが財布ごと渡そうとしてきた。


「ちょっと、三上さん。さすがに財布ごとは預かれません」

慌てて止めると、「そう?」なんて言いながら千円札を取り出して渡してくる。

「三上さんったら、財布なんて渡していいのは、奥さんか付き合いの長い彼女ぐらいですよ」

川北さんからとんでもない単語が飛び出してきて、なんとなく焦ってしまう。

「羽場ちゃんなら、信頼してるからいいかと思って」

悪びれることなく言う三上さん。

「ちょっと、私のことは信頼してないんですか?なんなら、財布を預かりますよ」

「やめとく」

悩むのみじかっ!!即答したな。
ていうか、私はなんでそんなに信頼されているのか……

「ひっどーい!!羽場さん、三上さんのはエグいの選ぼう」

苦笑しながら、2人のやりとりを見ていた。
私を巻き込むのだけはやめて欲しい。

「羽場ちゃん。お釣りで3人分の飲み物も買っちゃっていいから」

「ありがとうございます」

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