上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
今日は、安くて美味しいお弁当屋さんに向かった。タッチの差で一気に混み合うけれど、運良くまだあまり人がいなくて、スムーズに買うことができた。

「よし、あとは飲み物ね。遠慮なく奢って貰っちゃいましょう」

ワンコイン弁当だから、飲み物を買ってもお釣りがくる。川北さんは「ラッキー」なんて言いながら、自販機コーナーに向かい、食後のコーヒーを3人分購入してオフィスにもどった。

「もどりました。三上さん、はい。唐揚げ弁当にしておきましたよ」

「おっ、ありがとう」

川北さんが声をかけると、三上さんが顔を上げた。
最近は、時間を惜しむように、こうして休み時間にまで仕事をしている三上さん。かつての姿は知らないけれど、今のこの仕事に向かう真摯な姿は、尊敬できる。すごく素敵だと、素直に思う。
一般的には!!と、心の中で強がりな一言を付け加えておく。

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