上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「はい、羽場ちゃん。交換ね」

必死に高鳴る胸を押さえている私に、更なる試練が……
三上さんは、私のお弁当からフライを一つ奪うと、代わりに自分の唐揚げを置いた。

「うん、うまい!!」

「あっ、そこ!イチャイチャしないでください!!」

川北さん、なんてことを言ってくれるんだ!!
この人が有無を言わさず勝手にしたことで、私は何もしていない!!

「いいじゃん。俺と羽場ちゃんの仲なんだから」

「ちょっ、ちょっと待ってください。今のは、三上さんが許可もなく勝手にしただけです。それから三上さん、どんな仲なんですか!!誤解を招く発言は控えてください!!」

「あはは。羽場さんが焦っちゃってる。もう、三上さん、真面目な羽場さんをからかいすぎですよ」

こらこら。きっかけは川北さんじゃないですか!!

「ん?からかったつもりはないけど……まあいいや。それより、羽場ちゃんがちょっと前よりずっといい表情してる。堅苦しさが少なくなってるし、いいことだ」

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