上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
愛情の示し方
金曜日になった。今夜は明日香と一緒にオフィスを出て、そのままご飯を食べてから、うちへ行く予定だ。
エントランスで会った時、明日香は小ぶりのボストンバッグを持っていた。
「荷物それだけ?」
「そうよ。増やしたくないから、化粧とか借りられる物は、しおりとか恵さんに借りればいいと思って」
この美人さん、さぞかしこだわりのコスメがあるのだろうと思いきや、いつもこうだ。それでこの美しさを保てているなんて、羨ましい限りなんだけど。
「了解。今日は定時で上がれそう?」
「今のところ、大丈夫なはずよ。無理なら早めに連絡を入れるわ」
「わかった。じゃあ、また後でね」
明日香と別れて自席に着いた。
残業にならないようにと、いつも以上に集中して仕事をすめる。
「羽場ちゃん、なんか……すごい集中力だね」
肩が凝ってしまい、一息入れようと体を伸ばしていたら、三上さんに話しかけられた。
「今日は約束があるので、絶対に残業になりたくないんです」
「珍しいな」
「珍しいって、私に予定があるかどうかなんて、毎回言ってるわけじゃないので、知らないはずですが?」
エントランスで会った時、明日香は小ぶりのボストンバッグを持っていた。
「荷物それだけ?」
「そうよ。増やしたくないから、化粧とか借りられる物は、しおりとか恵さんに借りればいいと思って」
この美人さん、さぞかしこだわりのコスメがあるのだろうと思いきや、いつもこうだ。それでこの美しさを保てているなんて、羨ましい限りなんだけど。
「了解。今日は定時で上がれそう?」
「今のところ、大丈夫なはずよ。無理なら早めに連絡を入れるわ」
「わかった。じゃあ、また後でね」
明日香と別れて自席に着いた。
残業にならないようにと、いつも以上に集中して仕事をすめる。
「羽場ちゃん、なんか……すごい集中力だね」
肩が凝ってしまい、一息入れようと体を伸ばしていたら、三上さんに話しかけられた。
「今日は約束があるので、絶対に残業になりたくないんです」
「珍しいな」
「珍しいって、私に予定があるかどうかなんて、毎回言ってるわけじゃないので、知らないはずですが?」