上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「やっぱり、俺のライバルは山崎さんだな」

「ちょっと、三上さん。それ、どういう意味ですか?」

また2人でやいのやいのと言い出した。が、今は勤務中だ。

それを言おうとした瞬間、三上さんがいつもの衝撃的な一言を放った。

「羽場ちゃんは、俺のお気に入りだからな。俺より親しい山崎さんは完全なライバルだな」

いや……いつもよりグレードアップしてる……

「ば、ばかなこと言ってないで、仕事中ですよ!!」

「「はい。ごめんなさい」」

さすがにまずいと思ったらしい。

だめだ……3人で飲みに行って以来、不本意ながら、これまでよりも打ち解けてしまった。今までだったら聞かれなかった、個人的なことまでグイグイ迫ってこられる。

今までの自分なら、それがただ嫌で恐怖すら感じていただけだ。
でも、今は少し違う。個人的なことを知られたくないのは変わらない。
けれど、こうして職場の人とくだらないやりとりをらすることを、楽しく感じているのも事実。


退社する時も、2人からやいやい言われながらオフィスを後にした。



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