上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「しおり、次に見つけた男は、確かなやつだったら絶対離すなよ。でねぇと、しおりは結婚できねぇな。まあ、そうなったらこっちのやつを紹介してやるわ」

女同士の会話に、哲平さんが加わってきた。
こ、こっちのやつって……それはごめん被りたい。

「あっ!でも今、気になっている人はいるんだよねぇ」

にっこり微笑みかける明日香を、おもわず睨みつける。
なんでそれを言ってしまうんだ!?
口の堅い親友じゃなかったの……

「あ、明日香!!」

「いいじゃん。ここでぐらい話したって。これも、2人を安心させるためだよ」

小声で明日香が言う。

「なになに?しおりの片想いか?」

恵さんも、ここぞとばかり悪ノリしてくる。

「えっと……まあ……」

「聞いた?哲平。しおりが片想いしてるって」

「おう、聞こえた。明日香が知ってるやつで、こうやって教えてくれるってことは、いいやつなんだろ?しおり、押して押して、押しまくれ!!」

どんな親なんだ、この2人は……

その後も、東京での生活を話したり、こっちの友人達の近況を聞いたりしてすごし、お店を後にした。

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