上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
夕飯時には、祖父母に加えて両親の友人夫婦も2組集まって、どんちゃん騒ぎをしていた。
さすがに祖父母は早々に切り上げて帰宅していったけど、友人夫婦は22時すぎまでいた。小さな頃から可愛がってくれた人達で、その勢いには引きつつも、楽しくすごせた。


残るは、両親と明日香と私の4人だけ。

「なあ、明日香。しおりが片想いしてるやつって、どんなやつだ?」

「ちょ、ちょっと、哲平さん。お付き合いしたいとか、もうお付き合いしてるならともかく、まだ気になってるってぐらいだから」

「しおりは黙ってろ」

横暴に言って、明日香に話すように促す。若干申し訳なく思ったのか、明日香はこちらに目だけで「ごめん」と伝えてきた。

「会社の人だよ。何か進展があったら、教えるから。今はまだ、しおり自身が自分の想いに気付いたばかりだから」

「しおりは奥手だからなあ。明日香、タイミング見て後押ししてやってくれよ」

「了解です!!」

「付き合い出したら、ひっぱってでも連れて来いよ。ああ、俺らがそっちに行くか」

だから、本人の目の前で、そういうやりとりはやめてよ……そういうの、本当にいいから。

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