上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
二人だけの秘密
週明け、会社に着いて早々に、エントランスで三上さんに出くわした。

「おはようございます、三上さん」

「おぉ、おはよう、羽場ちゃん。ん……」

な、なんだ?すっごくジロジロと見てくるんですけど……?
もしかして、服が変?化粧が変?そんなに見られると不安ばかり大きくなり、落ち着かなくなる。

「な、なんですか?三上さん」

「ん?羽場ちゃん、いい顔してるなあと思って。週末に帰省してよかったみたいだな」

「へっ?」

何を言われたのか意味がわからず、腑抜けな声が出てしまった。

「羽場ちゃんってさあ、実家のことが絡むと妙にソワソワしてるっていうか、焦ってるっていうか。哲平さんの話の時とか」

うっ……意外と鋭い三上さんは、私の後ろめたい思いとか、隠したいと思ってることにちゃんと気付いているようだ。

「なんかあるのかなあと思って。山崎さんまで帰省に連れて行くぐらいだし。それが、今朝はなんかすっきりした顔をしてるから、嫌な帰省じゃなかったのかと思って」

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