上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「じょ、冗談です!!」

普段の調子で返すも、わずかに声がうわずってしまった。

「もう、羽場ちゃん……だからそのギャップ。羽場ちゃんへの興味が尽きないよ」

気恥ずかしさもピークに達すると、何もいえなくなってしまう。ただひたすら、目の前の料理を食べることに専念したけど、正直、味がわからなくなってしまった。

「ところでさあ、羽場ちゃん。週末もよく、山崎さんと会うの?」

「えっと……頻繁ってほどではないですけど、たまに会いますよ」

「ふうん。普段、休みの日は何をしてるの?」

「明日香と会えば、一緒にランチとか買い物に行ったり……他の友達と会うこともあります。そうでない時は……私、趣味らしい趣味がなくて……あっ、気になっていたお店に食べに行ったり、本屋が好きなので、目的がなくても行ったりしてます。
三上さんは、休日は何をしてすごしてるんですか?」

「おっ、また俺に興味が湧いてきた?」

しまった。ついさっき、からかわれたばかりだというのに、再び同じ状況に陥ってしまった。

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