上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「おはようございまぁす」
なんとなくトゲのあるような挨拶をされて、顔を上げた。ああ、飯田さんか。彼女から挨拶なんて、初めてされたかも。
そういえば以前、私達が涼介さんと飲みに行ったことを知って、すごい睨まれたんだった。
「羽場さん、三上さんのこと知ってた?」
「い、いいえ」
「ちょっと、飯田さん。あなたにはそんなこと関係ないでしょ?」
川北さんが割って入ってくれる。
「いいじゃないですか、世間話ぐらいしたって。まだ始業前ですし。ねえ、羽場さん」
何も答える気にならず、飯田さんの含みのある言い方を、俯いて聞き流していた。
「なんか、三上さんって社長の息子らしいですよ。仲が良いと思っていた羽場さんが、そのことを知らないなんて……まあ、所詮それぐらいの仲ってことだったんだ。安心した。私、三上さんのこと狙っちゃおうかなあ」
「何言ってるの、飯田さん。でたらめなことを言わないで。三上さんにとって羽場さんは、特別な存在よ。もう仕事の用意をするから、自分の席に行きなさいよ」
川北さんに言われて、飯田さんは意地悪な笑みを向けて去っていった。
なんとなくトゲのあるような挨拶をされて、顔を上げた。ああ、飯田さんか。彼女から挨拶なんて、初めてされたかも。
そういえば以前、私達が涼介さんと飲みに行ったことを知って、すごい睨まれたんだった。
「羽場さん、三上さんのこと知ってた?」
「い、いいえ」
「ちょっと、飯田さん。あなたにはそんなこと関係ないでしょ?」
川北さんが割って入ってくれる。
「いいじゃないですか、世間話ぐらいしたって。まだ始業前ですし。ねえ、羽場さん」
何も答える気にならず、飯田さんの含みのある言い方を、俯いて聞き流していた。
「なんか、三上さんって社長の息子らしいですよ。仲が良いと思っていた羽場さんが、そのことを知らないなんて……まあ、所詮それぐらいの仲ってことだったんだ。安心した。私、三上さんのこと狙っちゃおうかなあ」
「何言ってるの、飯田さん。でたらめなことを言わないで。三上さんにとって羽場さんは、特別な存在よ。もう仕事の用意をするから、自分の席に行きなさいよ」
川北さんに言われて、飯田さんは意地悪な笑みを向けて去っていった。