上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「しおり、今夜出しに行こうか?これ」

「いいの?」

「ああ。しおりはいなくならないってわかってるけど、早く目に見える形で繋がりたいんだ」

「涼介さん……」

涼介さんの瞳によぎった、小さな不安が見えた。
涼介さんに不安な思いはさせたくない。彼にはいつも、自信いっぱいでいて欲しい。



「定時ですよ。私が上がるのは」



一瞬ポカンとした顔をしたものの、すぐに理解したのか、涼介さんがニヤリとした。

「休憩なしで、仕事を片付けてくる。定時に迎えに行くから」










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