ガールズ★マインド
実際、

私はお嬢様なんかじゃない。

一人っ子で、

両親が共働きで、

普通のマンションに住んでる。

だから、

人より少しばかり贅沢ができるだけ。


本当は、

人にこう説明すればいいのだけど、

なんかめんどくさいし、

やっぱり

『お嬢様に見られたい』

って気持ちがあるから、

あえて言わないの。

バカみたいだね。

外見だけ飾っても中身がともなわなきゃ、

意味がないのに。

でも、

私はそんなことに気づける余裕がない。

とりあえず、

視野が狭いの。

貧しい国がある

って分かってても、

自分には関係ないって思ってしまう。


この頃の私は本当に未熟だった。

何か厳しさを必要としていた。


私は

自分が甘ちゃんだ

ってことを

知らなかったんだ。


それを知り始めたのは、

この居酒屋のバイトをやり始めてからだった。




バイトは初体験だった。

何もかもが初めてだった。

高校を卒業したばかりの私は、

進学するわけでもなく、

就職するわけでもなく、

フリーターになるわけでもなく、

アルバイトをした。

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