初めての to be continued…
「芳子さん……自分がなに言ってるかわかってますか?」
抱きしめたまま、雄大が言った。
「俺、なにするかわかんないって、さっき言いましたよ」
「わかってる」
いくら鈍感な私でも、それがどういう意味なのか、ちゃんとわかってる。
「……あの、そのくらいはわかってるから……だから、今日は、その……お泊まりの用意、してきたから……」
雄大が、息を飲んだ。
「私、さっきまで、帰るつもりだった。用意はしてきたし、覚悟もしてきたけど、雄大が好きかどうかわからないままは中途半端過ぎて、結局雄大を傷付けてしまうと思ってた。でも、私、雄大が好きってわかったから、だから……」
「ここ、俺ん家ですよ」
「え?」
「1DKの普通の部屋です」
何を言われているのか、よくわからない。
「うん……」
「芳子さん、初めてでしょ?」
「え?……あ、そう……だよ」
『初めて』って、そのことだよね。でも、まだ雄大がなにを言いたいのかわからない。
「いいんですか?初めてが、ここで。夜景が見えたり、夕日が見えたりしませんけど。ロマンチックでもなんでもない、俺ん家でいいんですか……?」
やっと雄大が何を言いたいのかわかった。
思わず、クスッと笑ってしまう。
「ここ……雄大の匂いがして、雄大に守られてるみたいでね、安心する。だから、ここがいい」
私がそう言うと、雄大の力が強くなった。
なんだか、凄く可愛い。
私も、腕をギュッとした。
そして、前から気になっていたことを聞いてみる。
「あの……雄大は、嫌じゃない?私が、その、初めてで……」
26歳、男性経験無し。
キスだって、さっきのが初めて。
どうやら雄大も、それは知っているみたいだけど。
雄大は、ちょっと力を緩めて、フッと笑った。
「俺は、全然気にしませんよ。むしろ嬉しいくらいだし」
背中の手を後頭部に回して、なでている。
「さっきのキスも、初めて?」
頭をなでられる心地良さを感じながら頷く。
「こうやって抱きしめられるのも、頭をなでられるのも?」
なんだか、いつもの雄大に戻ったみたい、と思いながら頷く。
「じゃあ、こんなに可愛い芳子さんは、俺しか知らないんだ」
かあっと、顔が赤くなるのがわかった。
無反応でいると、雄大はちょっと体を離して、私の顔を覗き込んだ。
「芳子さん、顔見せて」
恥ずかしくて、目を合わせられない。
雄大の唇の端っこが上がるのが目に入る。
「可愛い」
雄大はそう言って、私の頬に口付ける。
ビクッとしてしまい、一瞬目を閉じる。
雄大が、またフッと笑った。
そして、私の頬に手を当てる。
親指で、目元をなでる。ちょっとくすぐったい。
「この先は、もう止まれませんけど」
雄大が、男の人の顔になった。
そんな顔、今まで見たことない。
もう心臓が爆発しそうだった。
恥ずかしくて目をそらしたいのに、そらせない。
雄大の顔が近付いてくる。
「嫌だったり、痛かったりしたら、ちゃんと言ってくださいね」
返事をしようとしたけど、唇をふさがれてできなかった。
最初は軽く。
何度もするうちに、段々深くなっていくキス。
私は息をするのが精一杯で、されるがままになっていた。
抱きしめたまま、雄大が言った。
「俺、なにするかわかんないって、さっき言いましたよ」
「わかってる」
いくら鈍感な私でも、それがどういう意味なのか、ちゃんとわかってる。
「……あの、そのくらいはわかってるから……だから、今日は、その……お泊まりの用意、してきたから……」
雄大が、息を飲んだ。
「私、さっきまで、帰るつもりだった。用意はしてきたし、覚悟もしてきたけど、雄大が好きかどうかわからないままは中途半端過ぎて、結局雄大を傷付けてしまうと思ってた。でも、私、雄大が好きってわかったから、だから……」
「ここ、俺ん家ですよ」
「え?」
「1DKの普通の部屋です」
何を言われているのか、よくわからない。
「うん……」
「芳子さん、初めてでしょ?」
「え?……あ、そう……だよ」
『初めて』って、そのことだよね。でも、まだ雄大がなにを言いたいのかわからない。
「いいんですか?初めてが、ここで。夜景が見えたり、夕日が見えたりしませんけど。ロマンチックでもなんでもない、俺ん家でいいんですか……?」
やっと雄大が何を言いたいのかわかった。
思わず、クスッと笑ってしまう。
「ここ……雄大の匂いがして、雄大に守られてるみたいでね、安心する。だから、ここがいい」
私がそう言うと、雄大の力が強くなった。
なんだか、凄く可愛い。
私も、腕をギュッとした。
そして、前から気になっていたことを聞いてみる。
「あの……雄大は、嫌じゃない?私が、その、初めてで……」
26歳、男性経験無し。
キスだって、さっきのが初めて。
どうやら雄大も、それは知っているみたいだけど。
雄大は、ちょっと力を緩めて、フッと笑った。
「俺は、全然気にしませんよ。むしろ嬉しいくらいだし」
背中の手を後頭部に回して、なでている。
「さっきのキスも、初めて?」
頭をなでられる心地良さを感じながら頷く。
「こうやって抱きしめられるのも、頭をなでられるのも?」
なんだか、いつもの雄大に戻ったみたい、と思いながら頷く。
「じゃあ、こんなに可愛い芳子さんは、俺しか知らないんだ」
かあっと、顔が赤くなるのがわかった。
無反応でいると、雄大はちょっと体を離して、私の顔を覗き込んだ。
「芳子さん、顔見せて」
恥ずかしくて、目を合わせられない。
雄大の唇の端っこが上がるのが目に入る。
「可愛い」
雄大はそう言って、私の頬に口付ける。
ビクッとしてしまい、一瞬目を閉じる。
雄大が、またフッと笑った。
そして、私の頬に手を当てる。
親指で、目元をなでる。ちょっとくすぐったい。
「この先は、もう止まれませんけど」
雄大が、男の人の顔になった。
そんな顔、今まで見たことない。
もう心臓が爆発しそうだった。
恥ずかしくて目をそらしたいのに、そらせない。
雄大の顔が近付いてくる。
「嫌だったり、痛かったりしたら、ちゃんと言ってくださいね」
返事をしようとしたけど、唇をふさがれてできなかった。
最初は軽く。
何度もするうちに、段々深くなっていくキス。
私は息をするのが精一杯で、されるがままになっていた。