初めての to be continued…
12. 雄大
 キスって、こんなに気持ちいいものだっただろうか。
 何度しても、し足りない。

 最初はぎこちなかった芳子さんも、段々慣れてきたみたいで、息の心配をする必要はなくなった。
 その代わりに、漏れてくる息が甘くなってくる。
 息に混じって、時々声も聞こえる。

 甘い。色っぽくて、たまらない。

 こんな芳子さんを、誰も知らない。俺だけが知ってる。
 この肌も、吐息も、声も。

 元々あった独占欲は、より一層強くなる。

「声……もっと聞きたい」
 そう言ったら、自分の手で口をふさいでしまった。
 恥ずかしくなったらしい。
 でも、その仕草は俺を煽るだけだ。
「聞かせて」
 耳元でささやいて、手を外させる。
「……雄大が意地悪だ」
 じと目でにらんできた。
「芳子さんが可愛いのが悪い」
 キスをする。気持ちいい。
 甘い声を聞きたくて、キスを落としていく。
 また、芳子さんの口から、吐息と声が漏れ出す。

 その甘さに溺れていく。
 
 全部、俺のモノにしたい。

 初めての瞬間は、さすがに苦しそうだった。
「芳子さん、大丈夫ですか?」
 苦しそうに頷く。
 それでも、微笑んでくれた。
「だ……い、じょうぶ……」
 その笑顔が愛しくて、抱きしめる。
 芳子さんも、俺を抱きしめる。
「……雄大……好き……」

 聞いた瞬間、体中に何かが走った気がした。

「芳子さん……愛してる……」
 あふれてくる愛おしさのまま、強く、強く、抱きしめた。



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