カラシ色パーカー、冬の隅っこ
あの頃は受験のために好きだった習い事も辞め、勉強一本で生きてた。
少なくとも、周りに軽く引かれる程度には勉強していたと思う。
小学生にしてはマセガキのあつまりだったうちの学校での好きだ嫌いだ、あーだこーだも全て無視していた。
ドロドロした中、すみっこで息を潜めて、机と向き合っていた。
それが幸せだと思っていた。
学校では息を潜め、家では親に怒鳴られ。
そんな生活から見たあの補助生徒の笑顔は、きっと希望の色に満ち溢れていたのだろう。
合格を聞いた時、迷いなく入学を決めた。