カラシ色パーカー、冬の隅っこ
綺麗に飾られた箱もフタを開ければ、冷たくドロドロした液体で満たされている。
私は今もその隅で流されないように身を潜めている。
中学生をやっている間はそれで満足だった。
隅にいる私の足首さえ掴んで引きずり込もうとする小学校の頃を思えば、その頃より幾分かドライな空気がむしろ心地よかった。
けれど高校生になって周りからまた“受験”という単語がきこえはじめた。
自然と親も進路について口出ししてくるようになった。
それはまた親の見栄の道具として生きることになってきたと言えるだろう。