カラシ色パーカー、冬の隅っこ
くすんだカラシ色と矛盾する孤独
笑顔の可愛らしいあの子が淡い黄色のカーディガンなら私は
――くすんだ黄色、なんて言うんだっけ...
あぁ、そうカラシ色――
カラシ色のパーカー。
きっと分厚い素材で私と周りを遮断する壁にする。
身を隠すために私はそのフードを被って俯いている。
自分でも惨めだと思った。
冬の牢獄の隅っこが好きな自分が嫌いだ。
でも自分らしいんだ。
この矛盾をどう解決するのが正しいのか。
諦めか、それとも希望を持ち直すことか。
冬の隅っこにいるカラシ色パーカーにはどれが相応しい。
いや、待て。
その尺度の基準はどこだ、そんなものと比べて相応しいなんて考えるな。
基準ぐらい自分で見つけろ、バカ。
あぁ、チャイムが鳴る。
試験が始まる。
―――カラシ色パーカー、冬の隅っこ
Fin.