隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
◆◇THIRD×STORY◇◆
「うん、一目惚れしちゃったんだ」
◆◇◆
波乱を起こした体育祭が終わってから一週間が経過した。
……結論から言うと、赤組が総合優勝をしました。
最後まで接戦してたんだけど、リレーで白組が負けて、僅差で総合優勝を逃したのだ。
唯奈ちゃんは、最後のリレーで負けたことを珍しく悔しがっていた。
その反動で暴飲暴食に目覚めてしまい、手が付けられなかった。
……間食さえしなかった唯奈ちゃんが、あそこまで荒れるなんて……。
一週間経って、ようやく落ち着いたみたいだけど。
……ちなみに。
私は私で、この一週間とても大変だった……。
―――保健室から戻ったあと。
「朝桐さん!さっきのイケメンは誰!?」
「朝桐さんの知り合いなの!?」
「さっきの人はいまどこにいるの!?」
グラウンドに戻った途端、すごい形相をした女の子たちが私へと詰めかけた。
「朝桐さんと一緒に走ってた彼はお友達?」
「ウチのジャージ着てたけど、お知り合い?」
……と、先生たちも気になっていたようで、やんわりとそれとなく聞き出そうとしてきた。
さすがに誰も、斎宮くんだとは思ってないみたいで。
とりあえず、それはそれでよかったんだけど……。
「えと……実はその、私も彼のことなんにも知らなくて……。偶然助けてもらっただけなんです」
私はこれの一点張りだ。
これを貫き通したのだ。
この台詞、何十回…いや、何百回言ったんだろう……。