隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
午後のHRを終え、帰る支度をしていた。
カバンに荷物を詰めながら、夕飯の献立を考える。
確か今日は駅前のスーパーが特売日だったよね。
家に帰る前にスーパー寄って、玉ねぎと、ニンジンと~……。
その時、事件は起きた。
「ねーねー斎宮ー。アンタ今日暇でしょ?日直の仕事代わってくんない?」
気がつくとクラスの女の子が数人、斎宮くんの机の周りを囲んでいた。
「私たちこの後カラオケいく用事があるからさ~」
「もちろん断らないよね~?」
チラッと横目で見て、ゴクリとツバを飲み込む。
なっ、なにこの状況は……!
仕事を、押し付けてる……?
「……」
女の子たちの中心で、斎宮くんは席に座ったままピクリとも動かない。
だっ、大丈夫かな…斎宮くん。
嫌なら嫌って、ちゃんと断らないと……。
隣で心配しながら、そわそわとする。
「ちょっと!なにか言ってよね」
「私たち急がしいんだから!話、聞いてんの!?」
ダンッと机を叩く音が聞こえ、肩をビクッと震わせる。
「……わかった」
「よっしゃー!さっすが斎宮~また何かあったらよろしく~」
「じゃーねーばいばーい」