隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
よ、よかったぁ……。

先生、ありがとう……!



ホッと胸を撫で下ろし、安堵の息をつく。



すると、周りでこれを見ていた他のクラスメイト(男の子)が駆け寄ってくる。



「すごいね朝桐さん!」


「可愛いだけじゃなくって勇気もあるんだ」


「いや~いまのはマジすごかった」



と、称賛の声がかけられる。



見てたなら助けてくれればいいのに、と心の中で文句を浴びせていたが、



「あっ…うん?あ、ありがとう?」



どう返事したらいいのか分からなくて、とりあえず感謝の言葉を浮かべておく。



褒められるつもりでやったわけじゃないけど……嫌じゃない気分だ。



そんな囲う男の子たちの隙間で、斎宮くんの姿が目に入る。



あっ、斎宮くん……行っちゃった。



声をかけることも出来ず、教室を出て行く後ろ姿を見送った。



斎宮くん、大丈夫だったかな。

私、もしかして迷惑なことしちゃった……?



ちやほや騒ぎは暫く収まらず、私はこれを機にクラスの男の子と話すようになった。



そして、言わなくても分かると思うが、クラスの女の子と完全に溝が出来てしまったのであった。
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