隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
いつもより時間をかけ、学校へとたどり着いた。



やばっ、もうすぐHR始まっちゃう。

急いで教室に行かないと。



小走りで廊下を突き進む。



二組と書かれた札が見え、勢いそのままドアを開けた。



……ふぅ、間に合った。



まだ先生は教室に来ていないようで、友達同士で固まって話していた。



あれ…斎宮くん、まだ来てないんだ。



自分の席へと向かいながら、隣が空席になっていることに気がつく。



……珍しい。

いつも早くに学校来てたのに。



心のどこかで少しだけ安心する自分がいることに、嫌悪感を覚えた。



斎宮くんと話すって決めたのに……やっぱりビビってる。



斎宮くんがいないことに、安心なんてしちゃってる。



こんなんじゃ、いつまで経っても斎宮くんと話せないままだよ……っ。
< 188 / 211 >

この作品をシェア

pagetop