隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
◆◇SECOND×STORY◇◆
「……友達、ねぇ」
◇◆◇
秋の匂いが強くなり始める今日この頃。
時折吹く北風が肌寒く、カーディガンの必需性を感じる季節になった。
この季節になると、話の話題はあることで持ち切りになる。
なんだと思う?
……ふむふむ、なるほどね。
よしっ、知らないのなら、楓音さんが教えてあげよう!
学生が汗と涙で作り上げる、一大イベント。
青春を謳歌するならこれしかない!
そう、体育祭が開かれるのです!!
体育祭まで残り二週間。
いよいよ今日から体育祭に向けての準備が始まる。
私の学校では行事ごとに力を入れているらしく、毎年大盛り上がりするのだとか。
私にとっては初めての学校行事!
練習期間も張り切って頑張るぞー!
そんな今日はHRの時間を借り、体育祭にでる種目決めを行っていた。
体育際実行委員二名が教壇に立ち、スムーズに進行をしてくれている。
体育祭の説明を軽くしつつ、黒板に複数の種目を書きだす。
それを合図に、クラス内がざわざわと話し声が零れる。
「それでは、今から時間を取るので、出たい種目を考えてください」
生徒は全員強制参加なので、何かしらの競技に出ないといけないらしい。
周りは友達同士で「どれに出る~?」と楽し気に会話をしているが、私は黒板に書かれた種目たちと、ひとり睨めっこをする。
へぇ、色んな種目があるんだね。私はどれに出ようかな。