隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
「あなたも放課後、朝桐さんと一緒に自主練習をお願いします。いいですね?」


「…………はい」


「宜しい。では、本日の合同練習はこれで終了となります。お疲れ様でした」



最後の挨拶をして、ようやく合同練習は終わった。



「自主練、一人じゃなくてよかったじゃん」


「そ、そうだけどさぁ……」



私は今日まで私なりに頑張ってきたのに!

結局居残り練習することになるなんて……自分の運動神経のなさを呪いたい……。



……一人じゃないだけ心細くはないけどさ?



「唯奈ちゃんも今日一緒にダンスの練習しようよっ!ね?」


「あ~ごめん。今日の放課後は、リレーの練習があるの」


「そうだよね……。はぁ、私も斎宮くんとダンスの練習頑張るか」



一緒に教室まで戻ってくると、それぞれのクラスへと別れる。



すでに教室には斎宮くんの姿があり、体育館から戻ってきていた。



「斎宮くん、今日の放課後一緒に頑張ろうね!!」



その時、丁度周りにまだ誰もいなかったからか、素の口調で喋り出す。



「んー、やだ。俺、別に踊れるから」


「踊れてないから、居残りに指名されたんだよ?観念して私と一緒に踊るがいい!」


「はーあ、だる。…もう少し真面目に踊っておけばよかった」



そうため息混じりに呟いた後、前の席の人が戻ってきたため、斎宮くんは窓の方へと向いてしまった。



居残り練習は正直嫌だけど、斎宮くんと練習するのはちょっと楽しみかも。



胸を小躍りさせながら、放課後になるのを待ったのだった。
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