隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
「斎宮くん、まだかなぁ」
放課後となり、体育館に来ていた。
一応さっき「着替えたら体育館集合ね!」とは言っておいたけど、本当に来るか怪しくなってきた……。
でも今更教室に戻って、入れ違いになったら面倒だし、もう少し待ってみよう。
振付の確認をすること約十分。
体操着を着用した斎宮くんの姿が入口に見えた。
「あっ、斎宮くん!こっちこっち」
「……なんでそんなテンション高いの?」
体育館には私たち二人しかいないのに。
やっぱりメガネしてるんだね。
「そう?これが私の平常運転だからねっ」
……口が裂けても言えない。
斎宮くんと一緒に練習するのが楽しみだったなんて。
「まあいいけど。さっさと練習しなよ」
対して斎宮くんは、めちゃめちゃテンション低い。
そしてすぐさま座り込み、見学する態度になっていた。
「早速座ってるじゃん!斎宮くんも一緒に練習するんだって」
「いや俺、踊れるし。名指し食らったのは、練習が面倒で適当にやってただけだから」
「とか言って~?本当は踊るの苦手なんでしょ?」
そうやって言い訳するのはよくないよ?
ふっふっふ、諦めて私と一緒に踊るがいい!