隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
「……早く練習始めるよ。いつまで休憩してんの」


「へっ!?もう始めるの……?」



まだ十分くらいしか休んでないよね……?



「朝桐の下手な踊り見るのも悪くないからね」



ペロッと舌を出し、小馬鹿にする表情を浮かべる。



「もう下手じゃないもん!本番までには絶対、斎宮くんより上手に踊れるようになってみせるからね」


「へぇ、それは楽しみだね」



斎宮くんが私を見ていることが嬉しくて、自然と声が弾む。

自然と笑顔が零れる。



友達とこうやって一緒に練習できるなんて……



お母さん、シンジさん!みてる!?



私っ、高校生活やっとエンジョイできてるよ!!

青春のど真ん中にいるよっ!!



「……よーしっ、踊りまくるぞ!」


「じゃ、最初っからいくよ」


「うん!」



だから今は、この時間を楽しもう。



芽生え始めたこの気持ちを、友達だからと思ってるうちは。



友達として、斎宮くんと過ごす、この貴重な時間を。
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