隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
先ほどのことを思い出し、一人顔を赤く染める。



いきなり素顔で現れるし……それに、おっ、お姫様抱っこなんて……っ。



しかも、あんな注目される場所でだよ……?

目立つことが嫌いで、綱引きにも出なかった人がなんで……。



…いま、冷静になって考えてみると、さっきのがすごくおかしい状況だったってことが、よーく分かる……。



とにかくこれは、問い詰める必要のある重要案件だ。



朝桐楓音は、徹底的に追及するつもりですよ…!



「……さっきのって?」



えっ……!?

自覚症状、なし……?



そんなバカな…と、思いつつも、



「だ、だからその……メガネしてないし、そのお姫様抱っこ……したこと」



恥ずかしそうに、ぶつぶつとした口調で教えてあげる。



チラッと視線を向けてみると……



……あれ?

口元を手で押さえて下向いてるけど、笑ってる……?

肩がピクピク震えてるよね?



「朝桐、顔真っ赤。ゆでタコみたいになってるよ?」


「そっ、それは斎宮くんのせいじゃん……!」



最低だっ…!これは絶対確信犯に違いない…!

裁判長!彼は有罪であります……!!



「へーえ?俺のせいなんだ」



と、心底愉快そうな声色と共に、口角をあげていた。
< 95 / 211 >

この作品をシェア

pagetop