隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
「も、もうっ。からかわないでよ」


「だって朝桐が、かわい……面白いんだもん」



あれ?いま、なにか言いかけなかった?



「ずっとからかいたくなっちゃうなぁ」


「へ、変なこと言わないでよっ」



そういうこと言うから、また顔が赤くなっちゃうんじゃん……っ。

なんでそんなに楽しそうな顔してるんだか……。



そんなことより、私が聞きたいのは……



「……なんで、あの時……来たの?」



あの場に現れた理由だ。



「……なんで、素顔を晒してまで、私の為に……」



斎宮くんの言葉が聞きたいよ。

だから、はぐらかさないで、ちゃんと教えて欲しい。



あの場所に現れたのには、ちゃんと理由があるんだよね?



するとようやく、斎宮くんは伏目がちに、私から視線を逸らし口を開いた。


「あのオレンジ頭……朝桐のこと、抱っこしようとしてたじゃん」


「う、うん?そうだね?」



そういえば、お礼も言えずあの場に置いて来ちゃた……。

もしいつか、偶然再会したら、ちゃんと謝っておこ……。



「……なんか、ムカついたんだよ」



へっ……?な、なんて……。



「朝桐は、俺のものなのに」



―――ドキッ。



「……それって、どういう意味……?」
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