隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
「それと、もう一つ」


「へ?」


「朝桐にもムカついてたから」



え、私にも……?



まるであっかんべーをするように、ペロっと舌を出す斎宮くん。



「……本当は、質問の答えにちょっと腹立ってたから」



質問の答え……?

私、斎宮くんになにか質問されてたっけ…。



頭を悩ます私へ、再び追い打ちをかけるようなことを告げる。



「……ウソだから」



……え?



「……さっきのは、全部ウソだよ」


「ウソ……?」



聞き返す私へ、斎宮くんは優しく笑っていた。



その笑顔は、とっても温かくて再び私に熱を灯す。



「う、ウソって何が?どれのこと……?」


「……内緒。自分で考えて」



内緒…!?

それ、結構重要なことだと思うんだけど!?



「いいじゃん、教えてよ!それだけじゃ、分かんないよ」


「分からなくていいから、教えないの。それくらい察しろ、バーカ」


「ば、バカ……!?」



いっ、意味わかんないよ……!

やっぱり今日の斎宮くんは変だっ。



言ってること訳分かんないし、変な行動ばっかするし……。



斎宮くんのせいで私は、ドキドキしたり、喜んだり。

胸が苦しくなったり、寂しくなったりして、振り回されっぱなしだよ。



……どれだけ私のこと、翻弄したら気が済むんだかっ。
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